冴羽一写真館vol.9

「金があれば何でもできる・・・・」

ある人がいった。

「金があれば何でもできる。女は金についてくるもんさ。」

・・・・・・・・・・。

たしかにそうかもしれない。お金に全ての価値観をおくことは悪いことではないし、

価値観は人それぞれ。冴羽一はけして他人の価値観を否定しない。

しかし、「金」は冴羽一の持つ価値観とは遠くかけ離れたものだ。

冴羽一は人が生きるという事について常に真剣に考える。

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上京してきて数年経ってからのことだった。

ひどく落ち込んだことがあり、生きていることがとても苦痛に感じられたことがあったという。

鬱状態になり、自分は価値の無い人間だと強く思い込んだ。

マイナス思考のせだろう、追い討ちをかけるように全てがうまくいかなくなり、

失敗し、挫折し、この世から消えてなくなりたいとさえおもうようになったという。

「自分は全てを失った・・・僕はもうこの世からいなくなる。」

と・・・・・・

どん底の状態の中、彼はおもった。

「自分は一体何のためにこの世に生まれてきたんだ?失敗し挫折し、もがき苦しんで死んでいくためか?」

全てを失った状態の中、自分が本当に何をしたいのか、何をするべきか、

自分がいつも心に描きつづけていた「夢」の存在を強く再認識したという。

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そして冴羽一はおもった。

「自分が全てを失ったなんて大嘘だ!自分はまだ生きているじゃないか!」

「それだけじゃない、自分はまだ若いし体だって五体満足に動く!」

「自分さえその気になれば何処へだっていける!何だって出来るはずだ!!」

「生きてさえいれば!・・・生きてさえいれば!いつか必ず・・・・・」

..

どんなにつらくともみかえりは求めない・・・・・

いつしか冴羽一は「本当のつよさ」とは「やさしさ」だということを悟っていた。

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冴羽一はいう。

「人生において多くの「金」と「名声」をえようとも、そんなものは人の生死の前では一瞬の幻にしかすぎない。」

「しかし、人が人生の中で放つ一瞬の輝き、その一瞬の輝きこそが永遠なのだ。」 

と・・・・

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そして冴羽一はいう。

「この世で最も美しく、最も価値あるもの。それは、「魂の輝き」。」

なのだと・・・・・・・・

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